inquirenda inquiremus

尋ねるべきを尋ねましょう

2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ホッブズひろいがき:マウンティング的なもの

ホッブズは,とにかく人間が互いに互いをどう評価しあってどういう手に出るかという話を好んでする.これらは抜群におもしろい.ホッブズは論証にも熱心で,そういう面のおもしろさもあるが,やはり人間観察の秀逸さがおそろしく光るひとでもある.折に触れ…

デカルトのかんどころ(0)予告

デカルトは明晰判明という標語ともによく知られています.標語そのものについてははっきりとかなり誤解されているにせよ,ともかく,明解に物事を論じるひととして知られているところがある.学生時代,夏休みの読書として『方法叙説』を読んだことがあるひ…

人間はなぜ政治的動物で*ない*のか──ホッブズの説明

『リヴァイアサン』17章は,人々が自然状態を出て国家を形成するわけとさまとを描き出す箇所です.そのいちぶに,人間は政治的動物でない,ということの語りを含みます.つまり,人間以外の動物のなかには,国家などナシでも上手く共同生活をなしているのが…

「第三省察」目次

『省察』はデカルトの哲学的主著になります.懐疑を主題とする「第一省察」,自己のありさまを主題とする「第二省察」に比べたとき,「第三省察」の一見の難しさはたいへんなものです.じつは「第一省察」「第二省察」についても難しさを語ることはできます…